美容業界だらけの桃太郎【1】

momotaro

昔々、おじいさんとおばあさんが「ヘアメイクやりたくても免許あったほうがいいから美容学校へ」と言われヘアメイクの学校ではなく美容学校に行きました。

おじいさんは、美容学校で汚くてもいいからワインディングを15分台で巻くことに夢中になっていると、職員室では今はなきチョキチョキの美容学校取材が入っていることに気づきました。あと桃がありました。

その桃を、忘れると取りに帰される学校指定のダサい美容学校カバンに入れました。カバンをパンパンにしながら帰りました。帰って桃を出したら、桃からアイロンでねじりにねじって襟足を外ハネのヘアスタイルをした赤ん坊が「原宿系ー!」と言いながら生まれてきました。

名前を考えていると「美容室で大事なのはなんだ?」と問われたので心の中では売上だろ!と思いながらも、「おもてなしです!」と答えると「正解だ」と言われたので、桃太郎と名付けました。

デビュー後はスクスクと売上を伸ばしていった桃太郎は徐々に「独立」を意識しだすようになり、ディーラーの癒着ズブズブの講習会に呼ばれるようになり有名になっていきました。そして「俺が美容業界を変えて日本一の美容師になる!」と言って鬼ヶ島に行きました。

桃太郎が独立しようとするとおじいさんとおばあさんは「入社の時に結んだ契約で近くに店はだせないよ、圧力かけるよ」と言ってきました。弁護士に相談するとそんなものは無効だというので気にせず、出店し、圧力もなく平和にディーラーと取引できました。

桃太郎は、慕ってくれていたアシスタントを引っこ抜いて仲間にして独立しました。おかげさまで前店舗の経営をガタガタにしていきました。アフターメンテナンスが良いということでタカラベルモントで機材をリースもはじめました。

ここ最近の「美容師メディアブーム」に乗っかろうとして失敗している美容師を横目に、CRMという言葉だけを覚えたオーナー相手に商売をしているIT企業に言いくるめられて失敗しているのを見てきた桃太郎は、地方で美容室を営み、ほどほどに恵まれた環境で事業を成功させ「これからはPB商品だ!」と言って自社シャンプーの開発に乗り出し、全く売れず、めでたく大量の在庫を抱え、一から出直したのでした。

めでたし、めでたし。

撮影・文/Cubic編集部